マカオ早回り世界遺産の旅!

マカオの世界遺産は歩いて回ることができるのか?歩くと何時間かかるのか?運動不足のナビレポーターが実際にマカオを歩いてきました。

こんにちは、香港ナビレポーターのアキコです!今回のテーマは世界遺産を回る旅。2005年7月に世界遺産に登録されたマカオの歴史的、宗教的建築物を交通機関を使わずに歩いて回ると何時間かかるか、どれだけ回れるか自分の足で試してみました~!最近運動したのは5年前のテニス、という典型的運動不足のアキコが歩くマカオ!すぐにギブアップして涼を求めてカジノに溺れるのか?それともちゃんと世界遺産を回れてしまうのか?それでは、Lets Go~!

朝10時 フェリーに乗り込みいざマカオへ!

今回は尖沙咀中港城のチャイナホンコンフェリーターミナルから乗船。香港島上環のフェリーターミナルの方が、船の出発数も多いので、向こうと比べると閑散としている中港城です。それでも祝日だったためチケット売り場には日本人旅行者もちらほら。フェリーの中では大陸からの旅行団に囲まれ、眠ることができないままマカオ入り。

朝11時半 無料シャトルバスで市街地へGO!

やっぱり週末のイミグレは混んでいます。20分くらい並んでやっと外へ出れました。昔はもっと空いていたのにさすが、最近のマカオには世界中から多くの旅行者が訪れていますね。まず始めに、ゲートを出てすぐ右手にある観光局オフィスに行き、マカオツーリストマップをGET。この地図はマカオ半島、タイパ、コロアネとマカオ全域の詳細な地図が載っているだけでなく、世界遺産やマカオの歴史などとっても詳しく書かれているので、おすすめです。残念ながら今のところ日本語の地図はないようです。
マカオ市街へ出るには、公共バス、タクシーが一般的ですが、今回アキコはウィーン・マカオ(Wynn Macau)のシャトルバスを使って、市街へ出てみました。フェリーターミナルを出ると左手にホテルの無料シャトルバスが何台も停まっています。市街へ出るなら、カジノがあるホテルの無料シャトルバスがおすすめ。公共バスやタクシーに乗るお金が節約できちゃいます。
バスに乗ること10分弱。Wynn Macauに到着しました。せっかく無料シャトルバスに乗せてもらって、この超有名なカジノに来たんだからと、お小遣い100ドルを使ってギャンブルをやってみることに。昔のリスボアのような紫煙に包まれたアンニュイな雰囲気ではなく、最近のカジノはとってもゴージャス。内装もとっても豪華で、まるでヨーロッパの宮殿でギャンブルを興じている貴婦人のようになった錯覚を覚えます(すいません、言いすぎです)。アキコも早速ビギナーでもできる大小やスロットにトライしてみました~!
結果、1時間のうちに300ドル勝って、その後また500ドル負け。最終的に100ドルのマイナス(涙)。スロットはビギナーズラックで、急に大当たりすることもありますが、そのまま遊び続けると必ず負けてしまうので、引き際が大切ですね……。

おっと、危ない、危ない。世界遺産を回りに来たのに、しょっぱなからカジノに溺れるところでした。カジノは恐ろしい。麻雀も1年に1度やるかやらないかの私のような一般女子を1時間以上も虜にするだなんて。心を入れ替え(後ろ髪引かれながら…)、カジノ内にあるレストランでランチを食べながら午後の行程を練ります。

肝心なスタート地点を決める

マカオの世界遺産には「マカオ歴史市街地区」として、22の史跡と8つの広場が登録されています。そのほとんどがセナド広場から半径1キロ以内に点在しています。ということは、歩こうと思えばじゅうぶん全部歩いて回れちゃう距離ですね。

まずは出発地点を決めます。世界遺産エリアの一番南に位置する媽閣廟、一番北の基督教墳場どちらからスタートするか?媽閣廟周辺には4つの世界遺産があるけど、地図を見るとそこから5つ目の世界遺産、聖老楞佐教会までは結構遠そうです(0.5キロくらい)。ということで、今回は媽閣廟周辺は(あっさり)あきらめて、聖老楞佐教会からスタートして北へ向かって歩き、基督教墳場をゴールとすることにしました。ががががんばるぞ~!

14時 タクシーでスタート地点へ

まずは出発地点までタクシーで移動。マカオ市街ではタクシーを捕まえるのが大変。香港以上に一方通行の多いマカオは待っている場所によっては待てど暮らせどタクシーがやってこない、なんてことも。その点、大きなホテルで待っていれば、次から次へとタクシーがやってくるのでとっても便利です。

14:15 聖ローレンス教会
タクシーで約10分。一番最初の目的に着きました。しかし!いきなり改築工事中。中に入ることはできず、外から写真を撮って終了。
◆16世紀半ばに建てられた、マカオでも古い教会のひとつ。1846年に再建された姿のまま今日まで残っています。ネオクラシカル建築にバロック式がみごとに融合したとても美しい教会です。
◆通常時の開放時間:10:00~16:00

14:21 聖ヨセフ修道院
地図を片手に住宅地風の小さな小道をぐるぐる回ること約5分。次の目的地に到着。

◆イエズス会によって1728年に建てられたバロック建築の教会。付属のセントポールカレッジでは中国を始めアジア各地からの若者たちに高度なキリスト教教育を行っていました。◆開放時間:10:00~17:00

14:28 ドン・ペドロ5世劇場
先ほどの聖若瑟修院及聖堂からここへたどり着くまで結構つらいです。坂道を登りきったところにあるので、照りつける太陽と日ごろの運動不足がたたって、すでにへろへろ。
◆崗頂前地には、教会や劇場、図書館など市民の生活の基盤となる建物が集まっています。世界遺産にふさわしいマカオらしい建物が集まっているので絶好の撮影スポット。◆崗頂劇院開放時間:庭 10:00~23:00、劇場 一般公開なし

14:35 聖オーガスティン教会
崗頂前地にあるので、すぐ見つかりました。

◆1591年に建設されたこの教会はスペイン人の宣教師によって建設された教会。その昔、台風が来ると椰子の葉を幾重にも重ねて教会の屋根を守ったそうです。風になびく椰子の葉が遠くから見ると、天空を翔ける龍のひげのように見えたことから、中国語では「龍嵩廟」と呼ばれたそうです。
◆一般公開なし

14:45 民政総署ビル
聖奧斯定教堂から歩くこと約10分。マカオ観光の中心地セナド広場に近づいてきました!
◆この民政総署大樓は、1784年に建設され、当時は市政庁として使われていました。幾たびもの修復を経て1874年に現在の建物になったそうです。現在1階にある図書館は1929年に開館し、17~20世紀の貴重な書籍が保存されています。
◆開放時間:図書館 9:00~21:00(月曜休館)、庭 9:00~21:00

15:00 三街會館
セナド広場のすぐ隣、付近には女人街のような露店が並ぶ細い通りにひっそりとありました。注意して歩かないとうっかり見落としてしまいそうです。

◆マカオで最も栄えたマーケット「榮寧坊」に程近いところにある三街會館。正確な建築年は不明ですが明朝末期には既に存在したようです。長年中国人のための商業会議所として使われていました。商売繁盛の神様「關羽」を祀っているため、別名を「 關帝廟 」というそうです。
◆開放時間:8:00~18:00

15:05 セナド広場
マカオといえば、大三巴牌坊とこのセナド広場。ここには、香港でもおなじみ牛乳プリンで有名な義順の本店があったり、広場を囲むようにパステルカラーの、南欧風の建物が並んでいるので、絶対に外せない観光スポットですね。

15:10 仁慈堂大楼
セナド広場の中で一際目立つ白のネオクラシカル建築の建物です。入口は、仁慈堂右巷(Travessa de Misericordia)側にあります。2階にある展示室には、セナド広場を一望できるおしゃれなバルコニーがあります。スタッフのおじさんがいい味を出していて、写真を撮っていると、「こっちからの方がキレイに撮れるヨ!」といろいろアドバイスをしてくれました。

◆ポルトガル、イタリアを中心として活動する慈善機構「仁慈堂」の建物で18世紀中ごろに建てられました。貧しい人への医療活動や、市民に対する健康サービスなどをボランティアで行っていたそうです。
◆開放時間:10:00~17:30 (日祝休館)入場料:MOP5
バルコニーからセナド広場を見下ろせます バルコニーからセナド広場を見下ろせます

バルコニーからセナド広場を見下ろせます


15:25 盧家屋敷
仁慈堂大樓を出て右手に数メートル行くとあるのですが、月曜は休館日ということで、中には入れず残念!とっても興味があったのに~!

◆1889年に建てられた当時の大富豪「盧九」の邸宅。中は2階建てで典型的な中国式豪邸。
◆開放時間:9:00~17:00(月曜休館、マカオの祝日の場合は開館)

15:30 大堂
盧家大家の前をまっすぐセナド広場と反対方向に歩くと階段があり、そこを上りきったところが広場になっています。ここにあるのが、 大堂。汗だくになって頭からボトルの水を浴びたいくらい。夏のマカオ観光はくれぐれも水分補給を忘れずに。

◆正確な建築年は不明ですが、レンガ部分は1622年に作られているそうです。中は奥行きが深く、美しいステンドグラスからこぼれる光の下厳かな空気が漂っています。
◆開放時間:7:30~18:30
目の前の広場で一休み。世界遺産めぐりは諦めて、グランドリスボアにカジノに行ってしまおうかと一瞬思いましたが、邪念を振り切り大三巴に向かってまた歩き始めます。

15:40 聖ドミニコ教会
この教会もセナド広場にあるので、簡単に見つけることができました。

◆1587年にメキシコから来た宣教師によって建てられましたバロック式の教会。教会には博物館が併設され、約300点もの歴史的価値のある彫刻などが展示されています。◆開放時間:10:00~18:00

15:55 聖ポール天主堂跡
セナド広場に戻り、おみやげ物屋やアンティーク家具ショップが軒を連ねる緩やかな坂を上っていくと…。じゃじゃーん!大三巴です!マカオといえば、この薄っぺらい教会!
◆1580年にイタリア人宣教師によって建設されたセントポール天主堂の一部分。1594年に完成した天主堂付属のセントポール学院は、当時東洋唯一の西洋式大学だったそうです。学院と天主堂は度重なる火災に見舞われましたが、1835年の大火災で現在残っている天主堂のファサード(正面の壁)のみ残し全焼してしまいました。現在地下聖堂には様々な遺品が一般に公開されています。
◆開放時間:天主教芸術博物館 9:00~18:00

その後、大砲台に行く予定でしたが、大三巴への階段を見ただけで眩暈がしそうなのに、その更に上の小高い丘の上にある大砲台までは、ちょっと無理…。自分に負けました。

16:10 聖アントニオ教会
大三巴の階段下から延びる、のどかな花王堂街を約10分ほど歩くと、右手に現れる聖安多尼教堂。しかしこの頃には、教会に対する興味が次第に遠のき…。

◆竹と木を使って1560年以前に建てられたマカオでも最も古い教会のひとつ。度重なる改築の後、現在の姿になったのは1930年。以前はマカオに住むポルトガル人たちがこの教会で結婚式を挙げたことから、中国語で通称「花王堂」と呼ばれています。
◆開放時間:7:30~17:30

16:20 東方基金會會址
聖安多尼教堂から徒歩数分で地元の老人たちの憩いの場、白鴿巣公園に着きます。東方基金會會址へは、公園入口の右脇から入ります。最初入口がどこかわからず、公園をさまよいましたが、園内の地図を見ると、東方基金會會址は公園の外にあることがわかりました。

◆1770年にポルトガル人の富豪の住宅として建てられ、その後東インド会社の事務所として使われました。現在は東方基金の本部になっています。
◆開放時間:ギャラリー 9:30~18:00(土日祝休館)庭 9:30~18:00

16:30 基督教墳場(プロテスタント墓地)
やっほーい!ゴ~~ル!!東方基金會會址のすぐ隣にあります。普通の墓地でした…。あぁ、疲れた。

◆当初は東インド会社用の墓地として作られ、その後マカオに住むイギリス人、アメリカ人が眠る墓地となりました。隣接する教会は1821年マカオで一番最初に建てられたプロテスタントの教会です。イギリス人画家ジョージ・チネリーもこの墓地に眠っているそうです。◆開放時間:9:00~17:30

石畳は足が疲れます
2時からスタートして、振り返ればたったの2時間半の旅ですが、暑かったのでかなり疲れました。でも、道を歩く人も少なく、見るものすべて歴史を感じさせる厳かな建物ばかり。新鮮な発見も道中いたるところにあり、香港で同じ距離を歩くよりもかなり楽に感じました。ただ石畳や坂、階段が多いので、歩きやすい靴を履いて行かれることをおすすめします。また香港のように高層ビルがないので、歩いていると直射日光が照りつけてきます。帽子や日傘の準備、適度な水分補給を忘れないでくださいね。香港ではあまり日焼けをしませんが、1日で日に焼けて肩が真っ赤になっちゃいました。

スケジュール組のヒント
今回は、市街から少し離れた媽閣廟周辺は行きませんでしたが、スタート地点を媽閣廟にして、そこからセナド広場方面に向かって今回のコースと合わせてもじゅうぶんに歩ける距離です。時間的には今回の所要時間に30~45分ほど追加する程度です。またギア要塞はひとつだけ離れた場所にあるので、ここだけタクシーで回るか、スタート地点をギア要塞にして、基督教墳場に歩いて向かい、そこから今回の逆コースを歩いて、最北の媽閣廟をゴールにしてもいいかもしれません。半日はかかると思いますが、それでも世界遺産をすべて回れるなら価値はあるはずです。

閉館時間に気を付けて
教会の多くは5時ごろに閉館してしまうので、時間配分をよく考えて、スケジュールを練ることをおすすめします。また月曜日や日祝日が休みの場所も多いので、行く前にチェックしてくださいね。

歩くことに自信がない人
世界遺産地区に入ってしまうと、各史跡の間は歩いても5~10分くらい。タクシーで一つずつ回るには距離が近すぎるし、なかなか捕まりません。観光バスで主要な世界遺産だけを回るものもあるので、体力を温存したい方、歩くの苦手!って方は無理をせずにツアーに参加しましょう。あと、地図が読めない人も(笑)。マカオの小道はクネクネ曲がってとっても細いので、間違った道に入ると、出て来れなくなってしまいます。

いかがでしたか?いや~いい運動になりました。1日歩いて汗だく、夜のビールは超おいしかったです!今回は出だしからカジノに入ってしまったので、タイトなスケジュールになってしまいましたが、このコースなら朝から世界遺産を回れば、ランチ前にはすべて回り終え、午後はタイパ島やコロアン島まで足を伸ばすことも可能です。とっても狭くてコンパクトなマカオ。香港からの日帰り旅行にもってこい!でも、もしも余裕があるなら1泊はぜひして欲しい盛りだくさんのマカオでもあります。以上、香港ナビレポーター、アキコがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2007-10-04

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