マカオGP 2019 レースリポート

開催期間中、好天が続いたマカオGPですが、2019年はフェルショールが優勝をしました

みなさんこんにちは。マカオナビです。第66回マカオGPが2019年11月16日~19日までマカオのフェリーターミナルそばの中心に作られたギア・サーキットで行われ、伏兵のオランダ人、リシャード・フェスショールが優勝しました。

多くのF1チャンピオンが出走してきた

マカオナビでは毎年紹介していますが、改めて説明したいと思います。このレースはF1の2つ下の規格であるF3というレースがあり、ヨーロッパや日本で開催されていますが、それらに参戦しているドライバーの中で誰が最速なのかを決めようというレースです。過去には、アイルトン・セナ(ブラジル)、ミハエル・シューマッハ(ドイツ)、ミカ・ハッキネン(フィンランド)、ルイス・ハミルトン(イギリス)など多くのF1チャンピオンが出走しています。また、2001年には佐藤琢磨、2008年に国本京佑が優勝するなど、日本人にもゆかりのあるレースになっています。

有名レーサーの2世が今年も

今年は全部で30人のドライバーがエントリーしましたが、いつも大勢参戦する日本人は今年については角田裕毅だけでした。ほかのメンバーを見ると、フェラーリの育成ドライバーで、今年のヨーロピアンF3を制したロバート・シュワルツマン(ロシア)、1972年と74年にF1の王者となり、1989年にはアメリカのインディーカーシリーズも制したエマーソン・フィッティパルディ(ブラジル)の孫であるエンツォ・フィッティパルディのほか、ミハエル・シューマッハの弟にラルフ・シューマッハというトップF1レーサーがいましたがその息子のダビド・シューマッハも参加。30代後半以上のレースファンには懐かしい名前が揃いました。昨年、リスボア・ベンドで大クラッシュをした唯一の女性ドライバー、デンマークのソフィア・フローシュが今年も参戦。昨年のこともあっただけに、全員が彼女の参戦を喜んでいました。
レース前の角田

レース前の角田

緊張した面持ちのエンツォ・フィッティパルディ

緊張した面持ちのエンツォ・フィッティパルディ

新しいは車両規定でのマカオGP

2019年から国際自動車連盟(FIA)は、下部レースを再編して「FIA F3」を創設しました。ほぼGP3と言うレースカテゴリーの車両規格を使うことにし、それにドライバーの安全確保するためにF1で2018年から採用されている「Halo」や追い抜きをしやすくするための装置「ドラッグ・リダクション・システム(DRS)」を採用することを決めています。レース関係者の間では昨年までよりも高速のレースになると予想されていました。
ドライバーを囲むような棒が「Halo」

ドライバーを囲むような棒が「Halo」

バトル中の2台

バトル中の2台

フェルショールがビップスの追撃を振り切る

フェルショールのマシン

フェルショールのマシン

土曜日の予選レースを制してポールポジションを獲得したのがエストニアのユーリ・ビップスです。1度もリードを奪われない完勝でした。予選2番手はシュワルツマンが入り、決勝は一騎打ちになる雰囲気もありました。

 日曜日の決勝は、ビップスと3番手スタートのクリスチャン・ルンドガード(デンマーク)が好スタートを切ります。ルンドガードは2番からスタートしたシュワルツマンをつばぜり合いをしますが両者はマンダリン・ベンドで接触します。シュワルツマンはタイヤがバーストして、ピットに戻れずリタイヤとなります。この間隙をついて2番には4番手につけていたフェルショールが上がります。

 4周目にフェルディナンド・ハプスブルク(オーストリア)がクラッシュしてセーフティーが入ります。8周目に再開されるとフェルショールはすかさずトップを走るビップスのスリップストリームを利用して追い抜きトップに立ちます。ビップスもあきらめずにフェルショールを追いますが、抜くまでには至らず最後は0.792秒差でフェルショールがマカオを制しました。

 マカオナビはフェルショールに「君はスリップを使ってビップスを抜けたけど、逆にビップスは君を抜けなかった。ダウンフォースを減らしたセッティングにしたの?」と質問しました。フェルショールは「セッティングは昨日から変えていない。ただ、セクター3とセクター4は注意深く走ってタイヤを温存しつつ、できるだけギャップを開き、メインストレートに入ったら全開で走ってギャップを保つようにした」とリードを守り続けることができた理由を話しました。
クラッシュしたマシン

クラッシュしたマシン

表彰台のようす

表彰台のようす

質問に答えるフェルショール

質問に答えるフェルショール

いろいろな人の協力によって成り立つ

マカオGPはサポートレースもあり、マシンを整備するメカニック、食べものを売る人、コース脇に陣とるコースルマーシャルがクラッシュしたマシンを撤去したり、旗を振ったりしています。もちろんレースクイーンがレースを彩ったことは言うまでもありません。
イベントの華、レースクイーン

イベントの華、レースクイーン

レースクイーンの回りには大勢の人がういました

レースクイーンの回りには大勢の人がういました

男性モデルも一緒

男性モデルも一緒

ホンダのシビック

ホンダのシビック

オートバイのレースもあります

オートバイのレースもあります

ペイントをするメカニック

ペイントをするメカニック

ドライアイスをいれて冷やします

ドライアイスをいれて冷やします

工具箱の中身が分かるように工夫しています

工具箱の中身が分かるように工夫しています

レーサーに旗を振って状況を知らせます

レーサーに旗を振って状況を知らせます

トレーニングをするレーサー

トレーニングをするレーサー

グランドスタンドの下のようす

グランドスタンドの下のようす

女優・MCの張曦雯(Kelly Cheung)も登場

女優・MCの張曦雯(Kelly Cheung)も登場


時速200キロを超えるスピードで争います

時速200キロを超えるスピードで争います

いかがでしたか? 予選2回目のタイムをみると、2018年が2分9秒910で2019年は2分4秒997。つまり2018年よりも約5秒も速くなり、高速バトルのレースとなりました。来年も熱戦となるレースを期待したいものです。以上、マカオナビがお伝えしました。


関連タグ:マカオマカオGPレースF3

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2019-11-22

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