2019年12月10日、マカオに初の鉄道である澳門輕軌(LRT)の運行がタイパ島で始まりました。カジノ街を抜けていくLRTの乗り方を紹介します!
みなさんこんにちは、マカオナビです。マカオの公共交通機関はバス、フェリー、飛行機、タクシーはありますが、狭い土地ということもあり鉄道はありませんでした。しかし、2019年12月10日、タイパ島に澳門輕軌(Macao Light Rapid Transit / LRT)の「氹仔線(Taipa Line)」が開通。これにより、マカオの移動がより便利になります。
路線図(提供:澳門輕軌)
会社はマカオ政府が株式の96%を握っていまして、実際にLRTを運営を任されているのは香港の地下鉄を運営している香港鉄路(MTR)です。マカオ政府はMTRに2019年から10年間の経営権を与えています。全長は9.3キロで海洋(Ocean)というタイパ島の北西を出発し馬会(Jockey Club)-運動場(Stadium)-排角(Pai Kok)-路氹西(Cotai West)-蓮花口岸(Lotus Checkpoint)-、東亞運(East Asian Games)-路氹東(Cotai East)-科大(MUST)-機場(Airport)-氹仔碼頭(Taipa Ferry Termial)の11の駅を結びます。基本的にはタイパのIRリゾートをぐるっと回り、タイパのフェリーターミナルおよび空港である澳門國際機場(Macau International Airport)をカバーする路線です。
運行時間ですが月~木曜が6:30~23:15、木~日曜、祝日は6:30~23:59となっていて、5~10分の頻度で運転されます。車輌は2両編成で三菱重工製が製造した110両を使用しています。料金ですが、切符ではなくトークンを利用します。最初の3駅は6パタカ、4~6駅までが8パタカ、7~10駅は10パタカとなっています。軽軌通(LRT Card)というプリペイド型のICカードも販売しており、香港で言えば八達通(Octopus)みたいなものです。こちらを使うと、最初の3駅は3パタカ、4~6駅までが4パタカ、7~10駅は5パタカとかなりお得になっています。カードは無料で購入できますが諸費用として30パタカを支払う必要があります。ずっとキープすることができますが、もし必要でない場合は返却が可能でその時は10ドルの手数料が必要となります。なお路線バスのICカード「澳門通(Macau Pass)」は利用できません。いずれ相互利用が実現することを期待しています。列車はゆりかもめのようなスタイルで、高架線を運転手なしの全自動無人自動運転車両システム(AGT)で運行される方式が採用されています。
実際に乗ってみよう!
今回は新濠天地(COD)内にあるグランドハイアットホテルと永利皇宮(Wynn Palace)の間にある駅「路氹東站(Taipa East Station)からスタートします。普通に駅に向かいエスカレーターに乗ります。登りきったら道沿いに進むと駅の入口が見えます。するとディスプレーがあり、行き先が表示された各プラットホームの次列車とさらに次の列車が来るまでの時間が表示されています。
券売機に向かい、トークンを買います。ディスプレーに表示されている下車したい駅を押します。今回は「馬会」を選択すると料金が提示されます。金額をいれるとトークンが券売機からでてくるのでそれを取り、改札に行きます。改札機のオレンジのエリアにトークンを掲げると、ゲートが開き改札内に進む事ができます。馬会駅は海洋という方面なのでそちらが表示されているプラットホームに向かいます。エスカレーターを上がる転落防止ドアが最初から設置されたプラットホームが現れます。2輌編成で運行されていますが、見た目は最大4輌編成位を想定しているようです。駅自体は屋根がついたコンパクトな作りでこちらにもディスプレーが設置されていて、列車が到着するまでの時間が表示されています。
列車が到着し乗りこみます。車輌の大きさは全長11メートル、高さ4メートル、幅3メートルですが、車輌内は広くなるように設計されていて、向かいあう座席間の広さが十分に感じられます。座席は金属でできたシートになっています。ドアの上と車輌の前後の上部にディスプレーがあり停車駅などの情報が表示されます。窓は広く、ドアの窓も非常に大きいので解放感があり周りの景色が良く見えます。また、運転手がいないので前方の視界が非常にクリアなので、前方の座席に座れば鉄道運転手の気分が味わえます。走りだすと、思った以上のスピード感があります。その一方でプログラムされていると思いますがカーブではスピードをコントロールした速度で曲がっていくのも実感できるので安心感があります。ゴムタイヤを使っているので騒音も大きくないのも快適です。窓を見るとIRリゾートのビル群の光景が広がっていました。
馬会駅の改札機
馬会駅で下車します。改札口ではトークンを自動販売機の硬貨入れと同じような口にトークンを入れてください。改札が空きます。
いかがでしたか? とにかく、本当にLRTは移動が楽で簡単に乗れる鉄道です。現在、マカオ半島をぐるりと1週する路線の建設が進められているので完成時にはよりマカオの移動がもっと気軽になると思います。以上、マカオナビがお伝えしました。
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記事登録日:2020-02-29