マカオGP 2020 レースリポート

新型コロナウイルスの世界的感染拡大で一時期は開催が危ぶまれたマカオGPですが、レースフォーマットの変更や徹底的な防疫対策で開催にこぎつけました

みなさんこんにちは。マカオナビです。第67回マカオGPが2019年11月20日~22日までマカオのフェリーターミナルそばの中心に作られたギア・サーキットで行われました。新型コロナウイルスの感染拡大で例年より1日日程が短くなり、メインレースはF3から1ランク下のF4となる変則開催なりましたが、優勝は梁瀚昭(チャールズ・リョン)がマカオ人として2人目の勝者となりました。(写真提供:Macau Grand Prix Organizing Committee)

メインレースはF3からF4に

F4規格のマシン

F4規格のマシン

マカオナビでは毎年、マカオGPを紹介していますが、今年は新型コロナウイルスの世界的感染拡大でマカオGPも大きな影響を受けました。まずは日程で従来木曜から始まり日曜日の決勝まで行われますが、2020年は1日日程が短くなり金曜日が開幕となりました。
カテゴリーも従来は「F3ナンバーワン決定戦」のはずでしたが、2020年はF3よりカテゴリーが下の「フォーミュラ4(F4)」がメインレースとなり、ほかに「マカオGTカップ」、「マカオギアレース(ツーリングカー)」、「マカオツーリングカーカップ」、「グレーターベイエリアGTカップ」の5レースとなりました。「世界ツーリングカーカップ(WTCR)、「FIA GTワールドカップ」、「モーターサイクルグランプリ」の開催は中止となりました。

パドックもいつもより人が少なめ

パドックもいつもより人が少なめ

厳しい環境下でもメカニックは自分の仕事に集中

厳しい環境下でもメカニックは自分の仕事に集中

レース前にはライオンダンスも

レース前にはライオンダンスも

人もマシンも…徹底した感染対策

レースクイーンもマスク姿に

レースクイーンもマスク姿に

大幅な変更を余儀なくされた理由は、マカオの防疫対策にあります。中国本土と隣同士ということもあり、コロナウイルス感染拡大が始まった後、真っ先に「鎖国」を実施したからです。その後、入境規制は一部緩和されたものの、依然として厳しい条件であることは変わりはありませんでした。マカオGPに向け入境基準がより緩和されるのではという希望的観測が一部あったのですが、マカオ政府は大きく基準を緩和することはありませんでした。
その中で、どうすれば歴史あるマカオGPを途絶えずに開催できるのかというのを模索し、変則的ではあっても実現できたのだと思います。例えば、マカオに入るには基本的に入境前に新型コロナウイルス感染症に感染しておらず、密接接触者にも含まれず、今住んでいる場所からマカオへの航空機での出発前またはマカオ入境するまえに前に核酸検査を受けて、かつ結果が陰性であることを証明しなければなりません。さらに潜伏期間を考慮して、マカオに入ってから14日間、指定場所における隔離され、PCR検査を2回受けて両方とも陰性であることなどが参加条件とされたからです。この厳密さでマカオは感染拡大を抑え込むことができていますが、海外からのドライバーは、ツーリングカーのスペシャリスト・ロブ・ハフ(イギリス)のみとなりました。
観客席やレース車両がマカオに届いたあと、消毒措置が取られました。また、レース現場に入るたびに、レーサー、レースクイーン、スタッフ、関係者はマスク着用、検温、ソーシャルディスタンスの維持、健康コードの提示が求められました。医療ステーションの増設、メディアセンターでもアクリル板で仕切るなど防疫措置が徹底されました。
消毒対策をしっかり

消毒対策をしっかり

アクリル板で仕切られたメディアセンター

アクリル板で仕切られたメディアセンター

検温チェック

検温チェック

マカオ人ウィナーが誕生

シャンパンファイトをする表彰台の3人

シャンパンファイトをする表彰台の3人

メインのF4レースですが、優勝したのはマカオ人の梁瀚昭(チャールズ・リョン)が2位にはいった同じマカオ人レーサー鄭穎聰(アンディ・チェン)の追撃をかわしての勝利でした。マカオ人のマカオGP勝利は2000年のアンドレ・クート以来となりました。特に梁は2回目のフリープラクティスからは全セッショントップという圧倒的な強さでの勝利です。
レースは、スタートから梁と鄭が飛び出しますが、後続がクラッシュをしていきなりセーフティーカーが入ります。3周目からレースが再開され4周目に入る時、梁は2位の鄭に1.250秒もつけるリードを築き、その鄭も3位の洪士杰に3.300秒の大差をつけます。その後、梁は3周連続してファステストラップを記録して7周目に入るときは鄭に2秒660の差をつけました。
ただ、鄭も最後まであきらめず終盤にペースをあげ10周目にはこの日の最速ラップである2分29秒530を出すなどしましたが、最後は梁が逃げ切りました。鄭は梁が終盤に周回遅れに遭遇したとはいえ0.513差までつめて2位になり、マカオ人の1、2フィニッシュとなりした。3位は23.226秒遅れで李思程となりました。
梁は「小さいころの夢がかない、言葉が出てこない。いろんなことがレースでは起こった。終盤、マウンテン区間で周回遅れを抜くのに苦労して、最後は、本当に接近戦になったね」と喜びを語りました。

ギアレースでは1位が接触行為で降格

ギアレースのスタート

ギアレースのスタート

ツーリングカーの名手でマカオでは何度も優勝しているハフは今回も当然のごとく優勝をしましたが、ハフがマウンテン区間で馬青驊を接触しながら追い抜いたため、30秒のペナルティを受け23位に降格。2位でチェッカーフラッグを受けた張志強が繰り上がりで優勝しました。GTカップでは葉弘歷がポールトゥウィンを決めました。
クラッシュしたマシン

クラッシュしたマシン

のちに降格処分を受けてしまったハフ

のちに降格処分を受けてしまったハフ

GTカップのスタート

GTカップのスタート

GTカップは夢のスポーツカーの競演でもあります

GTカップは夢のスポーツカーの競演でもあります


いかがでしたか? ウィズコロナの時代でどうやって感染対策をしながらイベントを開催するのかを模索しましたが、無事終了しました。2021年は再びF3のレースが復活することを期待したいです。以上、マカオナビがお伝えしました。



上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2020-12-03

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